荒砥沢ダム周辺での臨時観測とそれを用いた震動特性の検討
熊谷周治; 片岡俊一; 茂木秀則; 南雲秀樹; 岡村航
日本地震学会秋季大会講演予稿集(CD-ROM), 巻:2020, 2020年
J-Global ID:202102244888004119
地震観測記録に基づくロックフィルダム堤体の速度構造の推定
茂木秀則; 曽田英揮; 荒井大輝; 佐藤信光
ダム工学, 巻:29, 号:3, 2019年
ISSN:0917-3145, J-Global ID:201902242480889184
地震観測記録に基づくNIOM解析によるロックフィルダム堤体の速度構造の推定
佐野貴之; 佐藤信光; 曽田英揮; 茂木秀則
土木学会年次学術講演会講演概要集(CD-ROM), 巻:74th, 2019年
J-Global ID:201902226241347461
ロックフィルダムの地震観測記録に基づく地震波の伝播速度の検討
茂木秀則; 川上英二
日本地震工学会論文集(Web), 巻:18, 号:4, 2018年
ISSN:1884-6246, J-Global ID:201802215540444955
NIOM法による地盤の非線形化に伴う減衰比の変化の検討
茂木秀則; 名倉匡人; 川上英二
日本地震工学シンポジウム論文集(CD-ROM), 巻:15th, 2018年
J-Global ID:201902215426959257
地震観測記録に基づくロックフィルダム堤体の動的物性に関する研究
田那部直也; 曽田英揮; 茂木秀則; 川上英二; 佐藤信光
土木学会年次学術講演会講演概要集(CD-ROM), 巻:72nd, 2017年
J-Global ID:201702252838650460
長期間の地震観測記録に基づくロックフィルダムの動的物性評価
茂木秀則; 曽田英揮; 田那部直也; 佐藤信光
ダム工学, 号:108, 2017年
ISSN:0917-3145, J-Global ID:201802280768124737
KiK-net日野における2000年鳥取県西部地震とその前後の地震波の伝播時間
茂木秀則; 川上英二; 内海満希
日本地震工学会論文集(Web), 巻:16, 号:1, 2016年
ISSN:1884-6246, J-Global ID:201602218151632001
アースダムにおける長期間にわたる地震観測記録のNIOM解析と堤体の物性評価
茂木秀則; 曽田英揮; 川上英二; 大町達夫
ダム工学, 号:99, 2015年
ISSN:0917-3145, J-Global ID:201502203054875868
芝浦工業大学豊洲校舎の基礎スラブ上と支持基盤内の地震記録に対するNIOM解析
紺野克昭; 三浦太郎; 茂木秀則; 西川貴文; 藤野陽三
土木学会年次学術講演会講演概要集(CD-ROM), 巻:70th, 2015年
J-Global ID:201502216349893633
ロックフィルダムにおける長期間にわたる地震観測記録から推定した地震波伝播時間の経時変化
茂木秀則; 川上英二; 小田優介; 大町達夫
ダム工学, 号:100, 2015年
ISSN:0917-3145, J-Global ID:201602220502682803
KiK-net日野における2000年鳥取県西部地震とその前後の地震波の伝播時間
茂木秀則; 川上英二; 内海満希
日本地震工学シンポジウム論文集(CD-ROM), 巻:14th, 2014年
J-Global ID:201502252075250442
KiK-net-関西観測記録のNIOM解析
茂木秀則; SHRESTHA Santa Man; 川上英二; 川村潤也
地震工学研究レポート, 号:127, 2013年
J-Global ID:201302293823152126
IWTH25観測点における2008年岩手・宮城内陸地震とその前後のS波の伝播時間
茂木秀則; 川上英二
日本地震工学会年次大会梗概集(CD-ROM), 巻:10th, 2013年
J-Global ID:201402273705366487
常時微動計測による岩塊の振動特性の検討
茂木秀則; MULMI Sagar Prasad; 長田昌彦
日本地震工学会大会梗概集, 巻:9th, 2012年
J-Global ID:201302276106237484
常時微動観測に基づく岩塊の振動特性と回転半径の推定方法
別役昌孝; 長田昌彦; 茂木秀則; 荒井進吾
岩の力学国内シンポジウム講演論文集(CD-ROM), 巻:13th, 2012年
ISSN:1883-1486, J-Global ID:201302275836878403
女川原子力発電所における東北地方太平洋沖地震前後の地震波の伝播速度の変化
茂木秀則; 川上英二
日本地震工学会論文集(Web), 巻:12, 号:5, 2012年
ISSN:1884-6246, J-Global ID:201302293639600787
東北地方太平洋沖地震における女川原子力発電所鉛直アレー観測記録のNIOM解析
茂木秀則; 川上英二
日本地震工学会大会梗概集, 巻:8th, 2011年
J-Global ID:201202262444379830
常時微動観測による岩塊の振動特性の検討
茂木秀則; 高橋学; 長田昌彦; 荒井進吾
岩の力学国内シンポジウム講演論文集, 巻:12th(CD-ROM), 2008年
ISSN:1883-1486, J-Global ID:200902206310202648
柏崎刈羽原子力発電所内の鉛直アレー観測記録のNIOM解析
茂木秀則; SHRESTHA Santa man; 川上英二; 岡村真也
日本地震工学会大会梗概集, 巻:6th, 2008年
J-Global ID:200902233114063602
基盤断層の変位が第四紀地盤上の構造物に与える影響の評価
岩下和義; 谷山尚; 長田昌彦; 川上英二; 茂木秀則; 斎藤正人
埼玉大学地域共同研究センター紀要, 号:7, 2007年
ISSN:1347-4758, J-Global ID:200902235496483889
境界要素-摂動解法による起伏地形の散乱波の波形の検討
茂木秀則; 川上英二
土木学会論文集 A, 巻:63, 号:3, 2007年
J-Global ID:200902242623004312
長瀞における岩塊上の常時微動観測
茂木秀則; 長田昌彦; 橋田智大
土木学会年次学術講演会講演概要集(CD-ROM), 巻:62nd, 号:Disk 1, 2007年
J-Global ID:200902269812236726
正弦波状の起伏地形における波動伝播の解析
川上英二; 茂木秀則; 福原幸司
日本建築学会構造系論文集, 号:587, 2005年
ISSN:1340-4202, J-Global ID:200902217835871968
境界要素法とノイマン級数に基づく摂動解法を組合せた起伏地形の地震応答解析手法
茂木秀則; 川上英二; 福原幸司
土木学会論文集, 号:787, 2005年
ISSN:0289-7806, J-Global ID:200902218228329816
地表面での地震動のばらつきと地形・樹木・建物群などの影響の解明
川上英二; 渡辺啓行; 荒川洋二; 岩下和義; 茂木秀則; 谷山尚; 斎藤正人
埼玉大学地圏科学研究センター年報, 巻:4, 2005年
ISSN:1347-1945, J-Global ID:200902244211646860
地表面の起伏によって生じる散乱波について
茂木秀則; 川上英二
土木学会年次学術講演会講演概要集(CD-ROM), 巻:59th, 号:Disk 1, 2004年
J-Global ID:200902258987572271
高密度アレー観測記録に見られる計測震度のばらつきについて
茂木秀則; 川上英二
土木学会年次学術講演会講演概要集(CD-ROM), 巻:58th, 号:Disk 1, 2003年
J-Global ID:200902265379576333
高密度アレー観測記録から求めた速度応答スペクトル比の統計解析
川上英二; 茂木秀則; YANG Z
日本地震工学シンポジウム論文集, 巻:11th, 2002年
J-Global ID:200902197829907380
重み付き相乗平均を用いた地震波の内挿方法
山地幸子; 川上英二; 茂木秀則
土木学会年次学術講演会講演概要集(CD-ROM), 巻:57th, 2002年
J-Global ID:200902159250625929
高密度アレー観測記録に基づく応答スペクトル比の確率分布
川上英二; 茂木秀則
日本建築学会構造系論文集, 号:551, 2002年
ISSN:1340-4202, J-Global ID:200902172722040810
高密度アレー観測記録に基づく整形地盤上の二地点間の計測震度差の統計解析
茂木秀則; 川上英二
地震, 巻:55, 号:2, 2002年
ISSN:0037-1114, J-Global ID:200902175918697230
摂動解法を用いた境界要素法による不整形地盤の応答解析
福原幸司; 茂木秀則; 川上英二
土木学会年次学術講演会講演概要集(CD-ROM), 巻:57th, 2002年
J-Global ID:200902183329621374
SIGNALデータの統計解析に基づく最大加速度の空間的確率分布
茂木秀則; 川上英二
土木学会論文集, 号:647, 2000年
ISSN:0289-7806, J-Global ID:200902158400702750
二地点間の最大加速度比の統計解析
茂木秀則; 川上英二
土木学会年次学術講演会講演概要集 第1部, 巻:55th, 号:B, 2000年
J-Global ID:200902191160201560
高密度アレーにおける最大加速度比の統計解析
茂木秀則; 川上英二
土木学会地震工学研究発表会講演論文集, 巻:25th, 1999年
J-Global ID:200902138550860663
最大加速度比を用いた最大加速度のばらつきの検討
茂木秀則; 川上英二
土木学会年次学術講演会講演概要集 第1部, 巻:54th, 号:B, 1999年
J-Global ID:200902186996411484
強震動アレーデータに基づく隣接二地点間の最大加速度比の確率分布
川上英二; 茂木秀則
土木学会論文集, 号:626, 1999年
ISSN:0289-7806, J-Global ID:200902199025037742
SIORM(入出力関係単純化法)による地震波動伝播特性の推定
川上英二; 茂木秀則; 高橋亜希子; DE JESUS BIDON P
日本地震工学シンポジウム論文集, 巻:10th, 1998年
J-Global ID:200902103906417265
入射境界増幅率を用いた地盤の震動特性の検討
茂木秀則; 川上英二
日本地震工学シンポジウム論文集, 巻:10th, 1998年
J-Global ID:200902105633031116
不整形地盤におけるSH波の入射境界増幅率と分布入射波平均増幅率
茂木秀則; 川上英二
土木学会論文集, 号:605, 1998年
ISSN:0289-7806, J-Global ID:200902192821209038
周波数領域での重み付き相乗平均を用いた地震波の内挿方法
川上英二; 茂木秀則; 佐藤誠一
日本地震工学シンポジウム論文集, 巻:10th, 1998年
J-Global ID:200902197575846505
ARモデルを用いたSIORMによる地震波動伝播特性の推定
川上英二; BIDON P J; 茂木秀則
土木学会地震工学研究発表会講演論文集, 巻:24th, 1997年
J-Global ID:200902103530027436
不整形地盤におけるSH入射波と増幅率
茂木秀則; 川上英二
土木学会地震工学研究発表会講演論文集, 巻:24th, 1997年
J-Global ID:200902156444496942
SMART1アレー観測記録に基づく最大加速度の空間分布について
西一彦; 川上英二; 茂木秀則
土木学会年次学術講演会講演概要集 第1部, 巻:51st, 号:B, 1996年
J-Global ID:200902102938302692
面上に分布する観測点間の地震波形の内挿方法
佐藤誠一; 川上英二; 茂木秀則
土木学会年次学術講演会講演概要集 第1部, 巻:51st, 号:B, 1996年
J-Global ID:200902111133154629
周波数領域での相乗平均を用いた地震波形の内挿方法
佐藤誠一; 川上英二; 茂木秀則; 内山浩史
土木学会年次学術講演会講演概要集 第1部, 巻:50th, 号:B, 1995年
J-Global ID:200902118363807022
強震動アレー観測記録を用いた最大加速度の空間分布に関する研究
西一彦; 川上英二; 茂木秀則
土木学会年次学術講演会講演概要集 第1部, 巻:50th, 号:B, 1995年
J-Global ID:200902118547789795
多地点の地震観測記録を含む時空間確率過程の内挿とシミュレーション
川上英二; 茂木秀則
構造物の安全性および信頼性, 巻:3, 1995年
J-Global ID:200902141645532893
常時微動のパワースペクトル比の期待値と分散
茂木秀則; 川上英二
土木学会年次学術講演会講演概要集 第1部, 巻:50th, 号:B, 1995年
J-Global ID:200902164250866695
断層震源に対する不整形地盤の地震応答シミュレーション
片岡正次郎; 大町達夫; 茂木秀則
応用力学連合講演会講演予稿集, 巻:45th, 1995年
J-Global ID:200902128388296532
剛基盤上の弾性層を伝わるレーリー波について
茂木秀則; 大町達夫
地震, 巻:47, 号:1, 1994年
ISSN:0037-1114, J-Global ID:200902138322258139
3次元離散化波数法による震源近傍の地盤歪の解析
大町達夫; 茂木秀則; 中村洋一
日本地震工学シンポジウム論文集, 巻:9th, 号:Pt 1, 1994年
J-Global ID:200902152585841389
三次元離散化波数法による電源近傍における地震動の解析
中村洋一; 大町達夫; 年縄巧; 茂木秀則
土木学会年次学術講演会講演概要集 第1部, 巻:48th, 1993年
J-Global ID:200902118160632154
1993年能登半島沖地震の珠洲市における地震動特性
茂木秀則; 年縄巧; 東畑郁生; 紺野克昭
土木学会年次学術講演会講演概要集 第1部, 巻:48th, 1993年
J-Global ID:200902151297742876
剛基盤上の弾性層におけるレーリー関数とP波震源に対する応答
茂木秀則; 大町達夫
東京工業大学土木工学科研究報告, 号:48, 1993年
ISSN:1345-3572, J-Global ID:200902198675140789
離散化波数法によるやや長周期地震動の推定
茂木秀則; 大町達夫; 年縄巧
土木学会年次学術講演会講演概要集 第1部, 巻:47th, 1992年
J-Global ID:200902022944737451
振動学的手法によるRayleigh波の再定式化へのアプローチ(II) 2層弾性地盤について
大町達夫; 茂木秀則
東京工業大学土木工学科研究報告, 号:43, 1991年
ISSN:1345-3572, J-Global ID:200902027354825004
常時微動から推定した臨海埋立地盤の振動特性
大町達夫; 年縄巧; 茂木秀則
土木学会年次学術講演会講演概要集 第1部, 巻:45th, 1990年
J-Global ID:200902036051219232
フィルダム堤体の地震波の伝播速度調査
日本学術振興会, 科学研究費助成事業 基盤研究(C), 基盤研究(C), 2017年04月01日 - 2021年03月31日
茂木 秀則, 埼玉大学
配分額(総額):4810000, 配分額(直接経費):3700000, 配分額(間接経費):1110000
令和元年度は荒砥沢ダム(宮城県)の2019/6月までの地震記録の解析,奈良俣ダム(群馬県)の地震記録の解析を行った.荒砥沢ダムの解析では,昨年度報告の結果と調和的な結果が得られており,伝播時間の緩やかな減少,上区間(EL.250m-279m)の上下流方向成分では貯水位の変化による伝播時間の変化がみられた.また,本年度は強震動による著しい非線形化が生じる前の地震観測記録に基づいて,堤体の速度構造を検討した.得られたモデルはS波速度 278.1 z^0.415/2 となった.室内実験結果によると土質材料の剪断弾性係数は拘束圧の平方根にほぼ比例するとされるが,その一般的な知見に近い値が得られている.しかし,ながらこの式に基づいた2次元FE-BE応答解析では固有振動数が2.5Hzとなり観測の卓越振動数3.0Hzよりも小さい結果となった.昨年度の他ダムの解析におけるコアゾーンと上下流ロックゾーンの伝播速度の違いを考慮して,ロックゾーンの剛性を1.2倍に増加することで堤頂/監査廊間の観測スペクトル比を説明することができることを示した.本結果は17th WCEE(2020/9)にて公表される.
奈良俣ダムでは上下流法面に地震計があるため,監査廊と堤頂間の他,監査廊と上下流法面間のロックゾーンの伝播速度を検討した.その結果,上流側のS波速度が下流側よりもわずかながら遅いのに対して,P波速度は上流側が著しく大きいなどの特徴が検出された.本ダムでは2004年中越地震(震央距離60km程度)において比較的強い地震動が観測されているため,強震動による非線形化の検討を行い,主要動で10%~15\%程度の伝播時間の増加を検出した.想定地震動と比較して大きな地震動ではないが,地震動の影響の程度を堤体の物性変化として把握することは,地震直後の堤体の健全性の検証に有用な判断材料になるものと考えられる.
課題番号:17K06528
地震観測記録に基づくアースダムのS波速度の評価と堤体のエージングプロセスの検討
日本学術振興会, 科学研究費助成事業 基盤研究(C), 基盤研究(C), 2013年04月01日 - 2016年03月31日
茂木 秀則; 川上 英二; 片岡 俊一; 大町 達夫, 埼玉大学
配分額(総額):5200000, 配分額(直接経費):4000000, 配分額(間接経費):1200000
本研究では,長柄ダム,東金ダム,荒砥沢ダム,小田ダム,森吉山ダムなど多数のフィルダムにおける堤頂,コア中段,監査廊/基礎に設置された地震記録を用いてNIOM解析(deconvolution解析)を行い,堤体内を伝播する地震波の伝播速度を推定した.また,推定された地震波の伝播速度に基づいて,著しい強震動時に生じる堤体の剛性低下とその後に起きる回復過程や築堤後生じるダム堤体の物性の変化を長期間にわたる数多くの地震記録を解析して追跡した.その結果,(1)2008年岩手・宮城内陸地震などの強震動において堤体の剪断剛性の低下がみられること,(2)その後長期にわたる剛性の回復がみられることなどを指摘した.
課題番号:25420477
岩塊の常時微動観測とそれに基づく高精度落石危険度判定法の提案
日本学術振興会, 科学研究費助成事業 基盤研究(C), 基盤研究(C), 2010年 - 2012年
茂木 秀則; 長田 昌彦, 埼玉大学
配分額(総額):4290000, 配分額(直接経費):3300000, 配分額(間接経費):990000
急峻な地形の多い日本では落石危険度の評価が不可欠である.しかし,診断を要する地点が多いことや,現在の診断方法には経験的な判定基準が含まれていることから,より簡便かつ客観的な落石危険度の評価手法の確立が望まれる.本研究では,常時微動観測によって岩塊の振動メカニズムを考察し,岩塊の常時微動の水平/鉛直固有振動数比を用いて岩塊の転倒加速度を算定する新たな手法を提案した.また,この手法を複数の岩塊に適用して転倒加速度を推定し,既往の落石危険度振動調査法による判定結果と互いに整合する結果が得られることを確認した.
課題番号:22560474
地盤の不整形性が堆積層の非線形地震応答に与える影響とそれに基づく実地震被害の検討
日本学術振興会, 科学研究費助成事業 基盤研究(C), 基盤研究(C), 2006年 - 2008年
茂木 秀則; 川上 英二, 埼玉大学
配分額(総額):3760000, 配分額(直接経費):3400000, 配分額(間接経費):360000
不整形地盤によって生じる複雑な地震応答を検討するために, SH波動場, P-SV波動場における境界要素-摂動解法による散乱波解析を行い, 不整形地盤の地震応答は着目する点の周囲から到達する散乱波の干渉によって説明されることを示した.また, 中越沖地震と岩手・宮城内陸地震における鉛直アレー観測記録を用いて, 本震前後の地盤の非線形性状について検討した.その結果, 本震主要動時の地盤の非線形化によって, 剪断剛性率が大きく低下し, かつ, 本震後数ヶ月以上の長期にわたり剛性低下が認められることを指摘した
課題番号:18560463
地表面の不均一性を考慮した地震波動の時空間分布に関する研究
日本学術振興会, 科学研究費助成事業 基盤研究(B), 基盤研究(B), 2005年 - 2007年
川上 英二; 岩下 和義; 茂木 秀則; 谷山 尚; 齊藤 正人, 埼玉大学
配分額(総額):13520000, 配分額(直接経費):12800000, 配分額(間接経費):720000
本研究では、地盤震動に及ぼす地表面の影響を明らかにすることを目的とした。一般に、地表面の地形には、凹凸があり、樹木・家屋・ビルが密集している。地形に関しては、非常に不整形な特殊な地形ではなく、小さな振幅の凹凸が無限に連なった一般的な地形を対象とし、この地形の影響を、定量的かつ波動論的に明らかにすることを目的の一つとした。また、樹木に関しては、地震動にどのような影響を与え,堤防などの土構造物の安全性にどのような影響を及ぼすのかを明らかにした。構造物群に関しては、不規則に配列する建物群の影響を確率統計的に扱うことにより、この影響の平均像を明らかにすることを目的にした。
地形の影響に対しては不整形な地盤を解析する境界要素法を改良し、樹木の影響に対しては大変位・崩壊挙動解析法を展開し、建物群の影響に対しては有限要素法を改良した。それぞれに対して方法論およびプログラムを完成させた後、実際の地形や建物などの例に適用することにより、解析結果を求め、これらの定性的および定量的な解釈を行った。更には、地震動の実測結果を解析することにより、理論計算から得られた結論との整合性を検討した。
次に、問題のモデル化、解析方法・結果に関して検討した。そして、地形、樹木、建物群など異なっては見えるが、様々な大きさの多くのものが不規則に地表上に乗っているという点では力学的には似た影響があるものと考えられ、個別に得られた結果の類似性、相違性を明らかにした。そして、共通な方法および共通な結果を抽出した。
課題番号:17360209
地表面での地震動に及ぼす地形、樹木、建物群などの影響の解明と多重反射理論の改良
日本学術振興会, 科学研究費助成事業, 基盤研究(B), 2002年 - 2004年
岩下 和義; 渡邉 啓行; 川上 英二; 茂木 秀則; 谷山 尚; 齋藤 正人; 岩下 和義; 荒川 洋二, 埼玉大学
配分額(総額):10500000, 配分額(直接経費):10500000
地震工学においては、構造物への入力地震動である地表面での地盤震動を明らかにすることが、最も基本的な重要問題である。従来、地表面での地震動を検討する際には、地盤を水平層としてモデル化し、多重(重複)反射理論に基づくSHAKEなどのプログラムを用いて、基盤での震動から地表面での震動を求めることが一般的である。しかしながら、従来、地表面(地表層ではなく地上)の条件は全く無視されてきた。地表面は常に水平面であり、何も存在しない面として扱われてきた。しかし、実際、地上には、凹凸をなす地形があり、樹木が茂り、家屋・ビルが密集している。これらをすべて無視して良いかどうかは検討に値する。これらの影響を明らかにし、多重反射理論を改良することを本研究の目的としている。
地形の影響:境界要素法を用いてP、SH、SV波が鉛直下方または入射角をもって入射する場合の地表面での増幅倍率が場所(凹凸地形の山または谷)によってどのように異なるかを検討するためのプログラムを作成し、幾つかの簡単な地盤モデルに適用した。その結果を元に、場所による増幅倍率の変化の物理的な意味づけを行った。また非常に強い地震動を受け土質材料が大ひずみを受けて降伏する状況を想定して高速せん断試験を行い、構成則のひずみ速度依存性を検証した。
樹木の影響:樹木は地震動に共振し、斜面崩壊を促進させるのか、逆に樹木は柔であるため減震・免震的な役割を果たすのかを明らかにするための計算機プログラムを作成した。本プログラムは大変形を扱い得るものである。パラメータを変える事による計算結果の安定性、誤差に関して明らかにした。
建物群の影響地表面上に多くの建物が連立する力学モデルを作成し、解析的な連成振動の理論や有限要素法を用い、建物群が地表面での地震動に与える影響を明らかにするための理論とプログラムを改良した。実際の地域に適用することにより、本プログラムの適用性に関して明らかにした。
課題番号:14350237
地形、樹木、建物群などの地表面の条件が地震動に与える影響の解明
日本学術振興会, 科学研究費助成事業 基盤研究(B), 基盤研究(B), 2002年 - 2004年
川上 英二; 茂木 秀則; 谷山 尚; 渡邉 啓行, 埼玉大学
配分額(総額):9800000, 配分額(直接経費):9800000
本研究では従来地盤震動を扱う際に全く考慮されてこなかった地表面の影響を明らかにすることを目的とした。地表面の地形には、一般に凹凸があり、樹木・家屋・ビルが密集している。地形に関しては、非常に不整形な特殊な地形ではなく、小さな振幅の凹凸が無限に連なった一般的な地形を対象とし、この地形の影響を、定量的かつ波動論的に明らかにすることを目的の一つとした。また、樹木に関しては、地震動にどのような影響を与え,堤防などの土構造物の安全性にどのような影響を及ぼすのかを明らかにした。構造物群に関しては、不規則に配列する建物群の影響を確率統計的に扱うことにより、この影響の平均像を明らかにすることを目的にした。
まずは、地形の影響、樹木の影響、建物群の影響それぞれに対して研究を進めた。地形の影響に対しては不整形な地盤を解析する境界要素法を改良し、樹木の影響に対しては大変位・崩壊挙動解析法を展開し、建物群の影響に対しては有限要素法を改良した。それぞれに対して方法論およびプログラムを完成させた後、幾つかの例に対してこれらを適用し、方法およびプログラムの妥当性を検討した。また、実際の地形や建物などの例に適用することにより、解析結果を求め、これらの定性的および定量的な解釈を行った。更には、地震動の実測結果を解析することにより、理論計算から得られた結論との整合性を検討した。
次に、問題のモデル化、解析方法・結果に関して検討した。そして、地形、樹木、建物群などに対して個別に展開した手法および結果の類似性、相違性を明らかにした。そして、共通な方法および共通な結果を抽出することを試みた。
課題番号:14380199
地形の形状の不確定性を考慮した不整形地盤の増幅特性の確率論的検討
日本学術振興会, 科学研究費助成事業 若手研究(B), 若手研究(B), 2002年 - 2004年
茂木 秀則, 埼玉大学
配分額(総額):3300000, 配分額(直接経費):3300000
本年度はP-SV波動場における散乱波動場の再検討,ならびに観測記録に見られる不整形性の影響について研究を行った.
まず,P-SV波動場における検討から,
1.境界要素-摂動解法によって生じる0次の項の評価方法としてあらたに離散化波数法を用いた定式化を行った.これにより,高速な評価が可能となると同時に,この項の波動論的な意味が明確になった.
2.P-SV波動場における散乱波の数学的な表現はSH波動場のそれとは大きく異なるにも拘わらず,散乱波の寄与分布形状はSH波の場合と似た形状を示すことを昨年度指摘した.そこで,P-SV波動場における散乱波の数学的な表現について解析的な検討を行い,P-SV波動場における「傾斜係数」についても,近似的に散乱波の生じる点と着目点の距離と両者の位置関係(地表面の傾きと,着目点への方向の関係)で与えられることを確かめた.
また,K-net観測点のうち,地形の不整形性が顕著な釜石,南木曾の二点の観測記録を用いて不整形性の影響を検討した.検討は,谷に沿った方向と谷に直交する方向の2成分の水平動を求め,振動数領域で比を求めることで震源特性や深い位置での伝播特性をキャンセルし地表面近くの影響だけを抽出した.また,観測点周辺の地盤を数値地図に基づいて谷軸方向,谷直交方向の2次元地盤モデルを作成し,谷軸方向をSH波動場,谷軸直交方向をP-SV波動場と見なして境界要素解析を行い,観測スペクトル比と比較した.その結果,
3.上記2点の観測スペクトル比は平垣な地形(K-net観測点川口)におけるスペクトル比と比べ,異方性が強いこと,
4.境界要素解析による結果と観測スペクトル比は釜石の結果の比較では比較的よく一致しており,異方性の原因として地形の不整形性による影響が一つの要素として考えられること,
などを明らかにした.
課題番号:14750396
地上構造物や樹木などの不規則分布を考慮した地震外力の推定手法の開発
日本学術振興会, 科学研究費助成事業, 萌芽研究, 2001年 - 2002年
渡邉 啓行; 齊藤 正人; 谷山 尚; 茂木 秀則, 埼玉大学
配分額(総額):2100000, 配分額(直接経費):2100000
本研究では,地上構造物,樹木,地表面の不整形性などの外乱要因の存在によって地震動が受ける影響を観測記録や数値解析などによって定量的に評価し,これらの影響を考慮した地震外力の推定手法を開発することを目的としている.
本年度は,1.観測記録に見られる地震動の不規則性の検討,2.構造物の基礎が周囲の地震動に与える影響,3.地表面の不整形性が地震動に与える影響の三点について研究を行った.
1.観測記録に見られる地震動の不規則性の検討
昨年度行った最大加速度や応答スペクトルの空間分布の検討に引き続き,本年度は新たに計測震度を取り上げて,同一地震によって生じる2点の計測震度の違いをその差(計測震度差)の統計解析によって検討した.得られた結果を地震第2輯に発表した.本研究は,現在広く用いられている計測震度の空間分布についての情報を与えるものであり,地震動の空間的確率分布を考慮した入力地震動の算定手法の開発のための基礎研究となるものである.
2.構造物の基礎が周囲の地震動に与える影響
基礎のロッキングインピーダンスの評価は,基礎-地盤-構造物の逸散減衰効果等の動的応答特性を把握する上で非常に重要である.このため,本研究では弾性波動論に基づいて基礎の柔性によるインピーダンスへの影響を評価した.これらの成果を第37回地盤工学研究発表会で発表した.
3.地表面の不整形性が地震動に与える影響
本年度は境界要素法と摂動解法を組み合わせた新たな解析手法を用いて,地盤の不整形性が地表面の各点の地震応答に与える影響について詳細に調べた.その結果,境界要素法-摂動解法から算定される散乱波の寄与によっで不整形地盤の地震応答が解釈されることなどを示した.これらの成果は来年度中に公表する予定である.
課題番号:13878079
アレイ観測記録の解析手法の開発・体系化と学内アレイ観測網の拡充
日本学術振興会, 科学研究費助成事業 基盤研究(B), 基盤研究(B), 1998年 - 2000年
川上 英二; 谷山 尚; 茂木 秀則; 渡邉 啓行; ハダデイ ハミッド レザ; 韓 思雄, 埼玉大学
配分額(総額):7000000, 配分額(直接経費):7000000
本研究では,アレイ観測記録の解析方法の開発,解析結果の検討,設計への応用として,(1)アレイ観測記録の解析方法の開発とその工学的応用,(2)時空間波動特性の検討,(3)設計用の時空間入力波形の提案を目的として研究を進めた.
(1.a)アレイ観測記録を用いた波動の伝播状況の推定手法の開発・改良
複数地点で観測された地震波形から,波動の反射や透過がどのように生じているかを推定するための手法として,時間領域(SIORM)と周波数領域(NIOM)の解析手法を展開し,本手法の精度や安定性などの長所短所を明らかにした.また,観測波形を用いて,波動の反射・透過の様子を推定し,土質の非線形挙動との関連性から論じた.得られた成果をSoil Dynamics and Earthquake Engineering誌などで発表した.
(1.b)アレイ観測記録に基づく地震動強度指標の空間分布
地震動強度として最大加速度や応答スペクトルを取り上げ,アレイ観測記録における同一地震によるそれらの比を用いて,地震動強度の空間分布を論じた.得られた成果を土木学会論文集などで発表した.
(2)時空間波形の特性と地震および地盤条件との関係
埼玉大学に設置されているアレイ観測システムを本研究で拡充した.これによる観測記録や公開されているアレイ観測記録を用いて,地震波動の見かけの伝播速度,コヒーレンスなどを調べた.
(3)設計用の時空間入力波形の提案
既存の時空間波形の推定法を比較検討し,実際の複雑な現象に適用できるようにするため,理論を現実に即した形に拡張した.また,さらに地震動を内挿するという立場から新たな手法の開発を行い,数値解析上の精度などについて,本手法の詳細な検討を行った.この成果によって波形解析の専門知識を持たない実務者であっても,本手法を用いることで設計用時空間波形が推定できるものと考えられる.
課題番号:10450171
地震観測記録と地盤構造データを用いた入射波動場の解析
日本学術振興会, 科学研究費助成事業 奨励研究(A), 奨励研究(A), 1997年 - 1998年
茂木 秀則, 埼玉大学
配分額(総額):2100000, 配分額(直接経費):2100000
不整形性の強い地盤ではこれに起因した増幅現象が生じることが指摘されており,平行成層地盤における一次元重複反射理論とともに不整形地盤における増幅率の推定手法の検討が必要である.
本研究では地盤構造が既知で入射波が未知の場合を前提としたときの不整形地盤の増幅特性の評価指標を検討することを目的として,基盤層の単位長さの境界に入射した波動が地表面上の着目点に与える寄与を入射境界増幅率として,境界要素法に基づく定式化を行った.また,入射波を平面波の重ね合わせで表し,波数領域の複素振幅について簡単な確率分布を仮定して,入射波の基盤層の境界上でのパワースペクトルと地表面上の着目点のパワースペクトルの比を分布入射波平均増幅率としてその定式化を行った.
次に神戸市東灘区付近の地盤モデルを用いて上記の増幅率を算定した.得られた入射境界増幅率の検討から,地表面近くの不整形境界への入射波が堆積層上の各点に振動数依存性の低い寄与を与えることなどを指摘した.また,得られた分布入射波平均増幅率と一次元重複反射理論による増幅率,単一平面波入射に対する増幅率との比較検討を行い,分布入射波平均増幅率が単一平面波に対する増幅率の包絡線に近い形状を示し,他の増幅率と比べて安定した増幅特性の評価が可能であることを示した.以上のことから,地震動予測において入射波の想定が困難である場合に分布入射波平均増幅率が有効な指標となり得ることを結論付けた.
課題番号:09750548
PROLOG言語を用いた地震前・中・後の一連の情報処理判断システムの開発
日本学術振興会, 科学研究費助成事業 萌芽的研究, 萌芽的研究, 1997年 - 1998年
川上 英二; 茂木 秀則, 埼玉大学
配分額(総額):2200000, 配分額(直接経費):2200000
阪神大震災の例を挙げるまでもなく,地震後の混乱期において,多くの情報を如何に管理,使用し,最適とまではいかないにしても妥当な判断を下すかは,被害の程度を大きく決定する重要な問題である。大地震に際し,地震前に得られる情報に基づき,地震直後に刻々と得られる膨大で断片的かつ不正確な被害の情報を最大限利用し,素人の人が極限的に最悪な健康・精神状態の下で最適な判断を下すためには,計算機を利用し,システムを平常時に作成しておくことが考えられる。地震前に得られる情報は平常時に入力しておき,地震中・直後の情報を整理することなく次々に入力される必要がある。そして,平常時には地震被害想定のプログラムとして機能した同一のシステムが,地震中にはリアルタイム対応システムとなり,地震後には応急復旧,恒久復旧のためのシステムというように,一連として使用できることを目的としている。そして,地震後の緊急対応に際してのすべての判断を自動化することを考えた。
本年度は昨年度の研究に引き続き,大地震に際し,地震前に得られる情報である(1)平常時の状態を表す情報,(2)過去の地震被害に関する知見,(3)地震前に行った被害の想定結果,(4)自治体・事業体などによる防災計画・準備の状況に関する情報と,(5)地震直後に刻々と得られる膨大で断片的かつ不正確な被害の情報とのそれぞれに対して,情報の種類の分類し,知識データベースとしてフォーマット化を行った。一方,交通管理システム(交通実態の把握と交通規制),病院の患者の把握と患者の輸送問題,火災の発生状況の把握と消防車・人の配置,役所の各部局またはライフライン事業者の対応,ボランティアの人と仕事とのマッチングなど,各立場から推論規則の開発を行った。
課題番号:09875107
ライフライン耐震診断プログラムILASの強化と地域性を考慮した主要都市への適用
日本学術振興会, 科学研究費助成事業 基盤研究(B), 基盤研究(B), 1995年 - 1996年
川上 英二; 佐藤 正行; 野田 茂; 茂木 秀則, 埼玉大学
配分額(総額):6100000, 配分額(直接経費):6100000
ライフラインのシステムの信頼性の解析を考えてみると、近年多くの自治体,電力・水道・ガス・通信・交通などの事業者により解析が行われてはいるが,独立に行われている.この事が,解析方法の普及を妨げているばかりでなく,解析結果の相互のチェックを不可能とし,解析法の精度の向上を阻害しているものと考えられる.本研究では,ライフラインシステムの機能損失と復旧過程の診断のための解析アルゴリズムの体系化を進め,汎用プログラム・パッケージILAS(Integrated Lifeline Analysis System)を作成,強化することを目的とした.
(1)物的被害,破壊確率の推定,(2)連結性能に基づく系の信頼性の評価,(3)機能性能に基づく系の信頼性の評価,(4)復旧過程の推定,(5)システム相互の連鎖性の評価,(6)低次施設のモデル化,(7)図形出力,の各項目に対し,ワークステーションを用いて解析が可能になるように,次の調査,研究を行った.
・従来の手法・パラメーター・結果の調査
・アルゴリズムの整理統合・体系化
・プログラムサブルーチンの作成
・汎用プログラムライブラリの作成
・簡単な都市への適用
課題番号:07558055
アレイ地震観測記録の解析結果に基づく地中構造物への時空間入力波形の提案
日本学術振興会, 科学研究費助成事業 基盤研究(C), 基盤研究(C), 1995年 - 1996年
川上 英二; 茂木 秀則, 埼玉大学
配分額(総額):2100000, 配分額(直接経費):2100000
トンネル,パイプライン,地中埋設管路等の耐震設計を行う場合,場所と時間との関数としての地震動波形を作成するには,アレイ観測結果が利用できると考えるのは自然である.近年,アレイ観測のデータも蓄積されつつある.しかし,この解析方法が十分に確立されているとは言い難いのが現状である.本研究の目的は,アレイ観測データの解析方法を開発することである.そして,実際に多くの記録を解析することにより,地盤条件の影響を検討した.次に,一つの利用方法として,地中構造物の設計に使用できる代表的で現実的な入力時空間波形を作成することを目的とした.そして,平成7年度に開発した方法,得られた結果を更に検討した.得られた主な結果は以下の通りである.
1.アレイ観測地点間の波動の伝播の様子の推定方法(SIORM)を開発した.展開した方法を日本国内外における幾つかの地点でのアレイ観測記録に適用し,地震波動の伝播の様子を明らかにした.
2.最大加速度の場所の違いによる変化を検討し,二地点間距離,マグニチュード,震源距離などとの関係を明らかにした.地盤がほぼ一様であっても数百メートル違えば最大加速度が数割異なる可能性があることを示した.
3.時間・空間の連続的な関数としての地震波形をアレイ観測記録から推定する幾つかの方法を開発した.本方法を兵庫県南部地震(1995)の場合に適用し,妥当な結果が得られることを示した.
課題番号:07650537
地形の不整形性を考慮した断層面近傍の地盤ひずみ解析
日本学術振興会, 科学研究費助成事業 奨励研究(A), 奨励研究(A), 1995年 - 1995年
茂木 秀則, 埼玉大学
配分額(総額):900000, 配分額(直接経費):900000
1.はじめに 1994年Northridge地震や1995年兵庫県南部地震では震源近傍で非常に大きな地震動が観測されている。この理由として、単に震源距離が小さいためだけでなく、なぎさ効果など地盤の不整形性に起因することが指摘されているが、現在まで十分な解析はなされていない。このため、既存の断層モデルと地盤モデルをもとに、地表での応答変位を決定論的に求めて検討した。
2.方法 不整形地盤をFEM、BEMでモデル化し、地表での応答を求めた。まず、不整形地盤の堆積盆地内部をFEM、その周囲の半無限地盤をBEMモデルとした。不整形地盤の応答は不整形地盤がない場合の半無限均一地盤に入射する波動場と、不整形構造によって散乱される波動場の重ね合わせで表される。このため、断層面から放射された波動場を離散化波数法で求めた後に、不整形地盤による散乱波動場をFEM、BEMによって求め、重ね合わせて全体の波動場を求めた。
3.シミュレーション 1994年Northridge地震の断層モデルを用いて、Sylmarでの波形を解析的に求めて、観測波形と比較検討を行った。地盤モデルはVs=1.4km/s、1.8km/sの堆積盆地とVs=3.5km/sの半無限地盤にモデル化した。また、断層面は長さ20km、Dip Angle42°、滑り量1.2m、Rise Time0.9sとした。この結果、変位波形の概形は観測波形と類似した波形が得られ、最大変位は水平60cm、上下40cm程度であった。この値は観測記録に対して、ほぼ2倍の値になっている。この理由としてこのような大きな地震動が発生する場合、岩盤・堆積地盤の非線形の影響が無視し得ないためと、現在考えている。
4.課題 前述のように、最大振幅が観測よりもやや大きくなっており、この点について現在検討中である。その後、盆地端部を中心に応答変位、地盤歪を求めた比較検討する予定である。
課題番号:07750553