藤野 毅(フジノ タケシ)
理工学研究科 環境社会基盤部門教授
工学部 環境社会デザイン学科

研究者情報

■ 研究グループ
  • 環境科学領域, 東アジアSD研究領域

業績情報

■ 論文
■ 論文指導
  • 2012, 学士課程, 指導学生数計:2
  • 2015, 学士課程, 指導学生数計:3
  • 2014, 学士課程, 指導学生数計:2, 指導学生数(内留学生):1
  • 2013, 学士課程, 指導学生数計:3, 指導学生数(内留学生):1
  • 2016, 学士課程, 指導学生数計:1
  • 2017, 学士課程, 指導学生数計:2
  • 2018, 学士課程, 指導学生数計:2
  • 2019, 学士課程, 指導学生数計:3
  • 2020, 学士課程, 指導学生数計:3
  • 2021, 学士課程, 指導学生数計:1
  • 2002, 博士前期(専門職学位)課程, 指導学生数計:1, 指導学生数(内留学生):1
  • 2004, 博士前期(専門職学位)課程, 指導学生数計:1
  • 2005, 博士前期(専門職学位)課程, 指導学生数計:2, 指導学生数(内留学生):1
  • 2006, 博士前期(専門職学位)課程, 指導学生数計:5, 指導学生数(内留学生):2
  • 2007, 博士前期(専門職学位)課程, 指導学生数計:2, 指導学生数(内留学生):1
  • 2008, 博士前期(専門職学位)課程, 指導学生数計:1, 指導学生数(内留学生):1
  • 2009, 博士前期(専門職学位)課程, 指導学生数計:1, 指導学生数(内留学生):1
  • 2010, 博士前期(専門職学位)課程, 指導学生数計:2, 指導学生数(内留学生):1
  • 2011, 博士前期(専門職学位)課程, 指導学生数計:2, 指導学生数(内留学生):2
  • 2015, 博士前期(専門職学位)課程, 指導学生数計:4, 指導学生数(内留学生):2
  • 2014, 博士前期(専門職学位)課程, 指導学生数計:3, 指導学生数(内留学生):3
  • 2013, 博士前期(専門職学位)課程, 指導学生数計:3, 指導学生数(内留学生):2
  • 2017, 博士前期(専門職学位)課程, 指導学生数計:3, 指導学生数(内留学生):2
  • 2018, 博士前期(専門職学位)課程, 指導学生数計:1, 指導学生数(内留学生):1
  • 2019, 博士前期(専門職学位)課程, 指導学生数計:5, 指導学生数(内留学生):3
  • 2020, 博士前期(専門職学位)課程, 指導学生数計:7, 指導学生数(内留学生):5
  • 2021, 博士前期(専門職学位)課程, 指導学生数計:4, 指導学生数(内留学生):3
  • 2022, 博士前期(専門職学位)課程, 指導学生数計:3, 指導学生数(内留学生):1
■ 共同研究・競争的資金等の研究課題
  • 安定した付加価値の実現を目指した電気分解-凝集処理による家畜ふん尿の堆肥化               
    日本学術振興会, 科学研究費助成事業, 基盤研究(C), 2022年04月01日 - 2025年03月31日
    藤野 毅; 萩森 政頼, 埼玉大学
    配分額(総額):4160000, 配分額(直接経費):3200000, 配分額(間接経費):960000
    課題番号:22K12472
  • 照葉樹林帯の生活科学-ミャンマー山岳地域チン州における資源利用特性と植生の関係-               
    日本学術振興会, 科学研究費助成事業, 基盤研究(C), 2019年04月01日 - 2023年03月31日
    朝比奈 はるか; 和田 美貴代; 藤野 毅; 藤川 和美; 都甲 由紀子, 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛
    配分額(総額):4290000, 配分額(直接経費):3300000, 配分額(間接経費):990000
    2021年度は、2020年度から続くCOVID-19と2021年2月に起こったミャンマーの政変の影響を受けて、海外調査に行くことができないばかりか、ミャンマーの研究者とのコンタクトも難しい状況になり、ミャンマーでの現地調査を断念せざるをえなかった。そこで、英国の博物館に保存されているミャンマーの植物標本を調査し、その結果に基づき作成した植物リストから、ミャンマー チン州の植生を推定するという研究手法に切り替えようと計画したが、これも長引くCOVID-19の影響で実現が難しくなった。


    そこで2019年度の春(乾季)と秋(雨季から乾季への移行期)に実施した、チン州の焼畑地での植生調査で出現した植物種の写真同定をすすめた。日本国内の植物園に保存されているミャンマーの植物標本と、現地で撮影した写真をもとに、日本でミャンマーの植物を研究している分類学者と連携しながら作業を進めた。写真同定という制約はあったが、植被率の低い植物を除いた、主要な植物種を同定することができた。また、侵略的外来種の影響などのデータも収集され、その成果を2021年9月4日にオンライン開催された 第31回 日本景観生態学会で発表した。また、6月26日~27日にオンライン開催された日本フードシステム学会大会において、ミャンマーチン州における食文化調査結果を報告した。さらに、9月24日に開催された第24回 応用生体工学会においてミャンマーのABSを中心に、環境政策とその現状について発表した。また、12月4日には大分大学において開催された「染色と刺繍を体験してアジアの民族衣装を知りましょう!」というオンラインイベントで、ミャンマーの民族衣装の着装についての紹介と「照葉樹林文化圏のフィールド調査と広域研究」についての講演を行った。
    課題番号:19K02349
  • 東南アジアをモデルフィールドとした大気汚染粒子の粒径別特性化と雨水移行現象の解明               
    日本学術振興会, 科学研究費助成事業, 基盤研究(B), 2017年04月01日 - 2020年03月31日
    関口 和彦; 藤谷 雄二; 熊谷 貴美代; 藤野 毅; 三小田 憲史, 埼玉大学
    配分額(総額):15990000, 配分額(直接経費):12300000, 配分額(間接経費):3690000
    ベトナムハノイ周辺3地点で採取した粒径別PM試料に対し、OC、EC、WSOC、イオン成分の濃度測定を行った。高いPM濃度が観測された日には二次生成成分が増加し、中国からの越境汚染の可能性が示唆された。また、有機マーカー分析から、高濃度日には二次生成に加え、バイオマスとプラスチックゴミなどの混合燃焼の可能性が示され、その傾向は超微小粒子においても顕著であった。一方、大気PMと雨水中懸濁粒子のPAHs成分分析から、大気中のPAH成分が雨水を介して水圏に移行している可能性が示唆された。実際、走査型顕微鏡を用いて画像解析を行ったところ、大気由来と考えられる粒子状物質が雨水中の試料において確認された。
    課題番号:17H04483
  • 農業用水を放射性物質高汚染地帯から流出する河川に依存する農地の汚染回避取水技術               
    日本学術振興会, 科学研究費助成事業, 基盤研究(C), 2015年04月01日 - 2018年03月31日
    上野 大介; 水川 葉月; 藤野 毅; 宮本 英揮; 仲井 邦彦, 佐賀大学
    配分額(総額):4940000, 配分額(直接経費):3800000, 配分額(間接経費):1140000
    福島の農地では、放射性物質のおもな流入源のひとつが河川から取水している農業用水であると考えられ、地元農家では農地の汚染の上昇が懸念されている。本申請では、放射性物質の高い時期の河川水を回避するシステムの構築を計画し、基礎的なテータの収集を主な目的とした。平常時および増水時における放射性セシウムの溶存態および粒子態の割合を実測し、また農業用水を介した水田への放射性セシウム流入負荷量を実測した。用水を介して水田に流入した放射性セシウムの負荷量は、水田土壌に残留している放射性セシウム負荷量の1%以下であった。
    課題番号:15K11954
  • イラワジ川源流部の環境保全に向けた河川質・底生生物分類調査と技術供与               
    日本学術振興会, 科学研究費助成事業, 基盤研究(B), 2012年04月01日 - 2015年03月31日
    藤野 毅; 西垣 功一, 埼玉大学
    配分額(総額):10660000, 配分額(直接経費):8200000, 配分額(間接経費):2460000
    ミャンマーはインドと並んで生物多様性が高い地域であると言われているものの、学術的情報が乏しい。本研究は、今なお政情が不安定なミャンマーの中でも外国人が比較的入所しやすい西部のチン州南部の山岳地域において、水質と底生生物調査を行った。トビケラ目においては過去の文献と合わせると28科68属227種の記録があり、このうちミャンマー初記録は10科15属21種あった。さらに、現地少数民族が占有する2つの集落において環境保全に関する知識および意識調査を行った。この地域は焼畑農業により支えられるが、傾斜は大きいため雨季の土砂流出が多く、一体した管理が必要である。
    課題番号:24404004
  • 二次元蛍光測定法を用いた現地直接測定による河川一次生産性の評価               
    日本学術振興会, 科学研究費助成事業, 基盤研究(C), 2009年 - 2011年
    藤野 毅; 高橋 基之, 埼玉大学
    配分額(総額):4680000, 配分額(直接経費):3600000, 配分額(間接経費):1080000
    藻類の光合成活性度を非破壊で調べる方法としてパルス変調蛍光法がある。本研究は、河川中の付着藻類の一次生産等の評価に適用することを試みた。平面二次元の測定が可能なHandy Fluor Camを用いた。その結果、計測パラメターである蛍光誘導のための測定光Foの値は緑藻と糸状藻類の現存量と相関があり、閃光Fmは珪藻の現存量と相関が高かった。なお、現地で直接測定する場合、暗条件下で実施することや、藻類が十分繁茂しないと測定は困難である。
    課題番号:21560533
  • 車軸藻によるファイトレメディエーションの効果の把握と実用化可能性の研究               
    日本学術振興会, 科学研究費助成事業, 萌芽研究, 2007年 - 2008年
    浅枝 隆; 藤野 毅, 埼玉大学
    配分額(総額):3200000, 配分額(直接経費):3200000
    本年度は、イトシャジクモ、Chara fibrosa、を用いて、カドミウム及びカルシウムに関して、シャジクモ体表面に形成される炭酸カルシウム層および付着藻類への吸着能に関する実験を行った。その結果、カルシウムに関しては、ほとんどすべてが炭酸カルシウム層に取り込まれており遊離しないこと、一方、付着藻類に取り込まれたものは容易に遊離されるとが明らかになった。次に、カドミウムに対しては、シャジクモが若い間は、シャジクモ表面のカドミウムも遊離するものの割合が多いものの、年齢とともに、炭酸カルシウム層に取り込まれ遊離しないカドミウムの割合が増加することが明らかになった。次に、フラスコモ類のNitella psedoflanellataを用いて、カルシウム濃度が生長に及ぼす影響、異なるカルシウム濃度の下での、Cr(IV)に対する影響を把握した。その結果、カルシウム濃度80mg/L程度までであれば、カルシウム濃度が高いほど生長が活発になることが明らかになった。
    次に、Cr(IV)に対しては、カルシウム濃度が4mg/L程度以下であれば、0.1mg/LのCr(IV)濃度に対しても生長が阻害されるのに対して、カルシウム濃度が80mg/L程度であれば、Cr(IV)濃度が0.1mg/L程度であれば生長は阻害されないことが明らかとなった。また、炭酸カルシウムの吸着量は、水中のCr(IV)濃度が高くなるほど大きくなることがわかった。そのため、水中のカルシウム濃度を高めることによってより高濃度のCr(IV)に対する耐性を持たせることが可能になり、Cr(IV)の吸着・除去量を増加できることが明らかになった。また、炭酸カルシウム層に取り込まれた重令属は枯死後も遊離しないことも明らかとなった。
    課題番号:19651029
  • ダム流入・放出有機物の河川生物供給動態の解明と生態系に及ぼす影響               
    日本学術振興会, 科学研究費助成事業, 基盤研究(C), 2007年 - 2008年
    藤野 毅, 埼玉大学
    配分額(総額):4550000, 配分額(直接経費):3500000, 配分額(間接経費):1050000
    2005年から試験堪水が開始された荒川水系中津川の滝沢ダム上流とダム直下を対象に、流下有機物と底生動物群集の構成調査を行った。試験堪水以降、下流域のほうがタクサ数、バイオマスともに豊かであった。バイオマスの増加は主に大型のヒゲナガカワトビケラが早々に定着したことに起因した。底生動物群集の出水後の回復過程を比較すると、ほぼ同時期に同程度の回復が見られた。統計解析(CCA)によっても出現優占種と環境要因との対応関係が明確に示された.
    課題番号:19560509
  • 河川砂州の樹林化の生態学的予測モデルの構築と実河川への適用               
    日本学術振興会, 科学研究費助成事業, 基盤研究(B), 2007年 - 2008年
    浅枝 隆; 藤野 毅, 埼玉大学
    配分額(総額):18980000, 配分額(直接経費):14600000, 配分額(間接経費):4380000
    河道内の樹林化の予測を行うために、現地調査より求めた、樹木個体の形態に関するアロメトリー関係より樹木個体の生長モデルを作成し、さらに、自己間引き、枯死率、萌芽率から個体密度の予測モデルを作成した. さらに、それを実際の河川の樹林化予測に適用した.
    課題番号:19360219
  • 低次河川中のCPOMおよび物質の動態評価に関する工学的アプローチ               
    日本学術振興会, 科学研究費助成事業, 若手研究(B), 2005年 - 2006年
    藤野 毅, 埼玉大学
    配分額(総額):3200000, 配分額(直接経費):3200000
    観測は、研究実施の利便性と自然度の高さを考慮して埼玉県所沢市と入間市の境にある柳瀬川上流で行った。川幅は5〜10m程度であり、平常時の流量は0.02〜0.1m^3/s程度で、丘陵を流下する勾配がなだらかな渓流である。周囲は、主にケヤキやサクラで覆われ、常時日影となるため付着藻類はほとんど見られない。堆積特性を把握するため、瀬、淵、蛇行がある270m区間を対象に、河床形状、川幅等の地形を詳細に調査したのち、落葉分布を作成した。落葉が終了した時期を見て、瀬の礫に引っかかるリター、淵に沈むリター、蛇行する区域の内側に流れの2次流によって集積するリター、遠心によって外側に堆積するリターなど、堆積特性を物理的観点で定義し、それぞれの堆積量を見積もった。さらに、堆積に影響するファクターとして、水深、流速、礫の数、礫間距離など、物理パラメータで整理した結果、水深がもっとも堆積量に影響を及ぼすことを明らかにした。
    次に、リターの分解の過程を、リターバッグを用いた実験で明らかにした。実験では、サクラとコナラを用いて、瀬、淵、岸などでの分解の速度を求めた。分解速度は淵よりも瀬の方で速く、この理由として、分解に大きく関与するベントスの役割を指摘した。また、実験上の注意点として、ある程度のメッシュサイズのリターバッグを用いると、ベントスの幼生が進入、リターバッグ内でサンプルを餌としながら成長、メッシュサイズより大きくなってリターバッグから出られなくなり、サンプルを食べつくすなど、これまで用いられてきたリターバッグ法の問題点も指摘した。
    課題番号:17760399
  • 浅い湖沼の再生法の確立を目的としたシャジクモに覆われた湖沼の観測               
    日本学術振興会, 科学研究費助成事業, 基盤研究(B), 2005年 - 2006年
    浅枝 隆; 藤野 毅; MANATUNGE J., 埼玉大学
    配分額(総額):11500000, 配分額(直接経費):11500000
    シャジクモは湖底を覆い、湖沼の水質に対して極めて大きな効果を発揮する。しかし、これまで水質との関連での研究が少なかったために、欧州と水質の異なるわが国における効果については必ずしも十分な知見が得られていない。しかも、近年、シャジクモは急激に消滅してきており、わが国の湖沼でこうした影響を調べることは困難になってきている。本研究課題では、オーストラリアNSW州のシャジクモで覆われたMyall湖において、シャジクモの生態を調査し、また、水質に与える影響を評価した。
    研究では、Myall湖において、シャジクモ、水および骸泥をサンプリングして、シャジクモの幾何形状やバイオマスを測定すると同時に、基本的な水質特性や物理的条件に関する現地測定、骸泥および水質分析を行なった。その結果、以下のようなことが明らかになった。
    1)シャジクモは湖底を覆うことで土壌の撹乱を防止する。また、シャジクモが分解して生成される骸泥は粘性に富み、流れ等の撹乱に対しても極めて安定である。こうしたことから、シャジクモ群落が形成された土壌からの栄養塩回帰は極めて限られる。
    2)シャジクモが枯死して生成される骸泥は極めて柔らかく、鉛直にのびる植物を固定するには不向きである。そのため、骸泥が厚く堆積した環境では他の沈水植物は進入しにくく多様性は減少する。
    3)シャジクモは水中のカルシウム分を炭酸カルシウムに変え、その際に水中のリン酸を捕捉する。こうした効果は、比較的カルシウム分の少ないわが国の湖沼においても期待できる。
    4)骸泥の粒径は極めて細かく透水性は低い。そのために、極度に貧酸素化しやすく、間隙水のアンモニア濃度は高くなる。一方、間隙水中にリン酸濃度は低いことから、N/P比が極めて大きくなる。そのため、シャジクモの成長は極度なリン律速になりがちである。その結果、シャジクモが栄養塩を吸収する際に原子量の小さい窒素原子が選択的に分別される。そのため、シャジクモ体中の窒素の安定同位体比は極めて低くなる。
    課題番号:17404008
  • 有機物輸送サブモデルの構築に向けた詳細観測による一次河川リターの動態の解明               
    日本学術振興会, 科学研究費助成事業, 若手研究(A), 2003年 - 2004年
    藤野 毅, 埼玉大学
    配分額(総額):16640000, 配分額(直接経費):12800000, 配分額(間接経費):3840000
    平成16年度においては、河川上流域を対象にリターの落下・流下・堆積の局所性を調べるための詳細な観測を実施し、データを収集した。
    フィールドは、埼玉県入間市周辺を流れる柳瀬川の上流で、2次流域に相当する270mを区間を設定した。河床勾配は1%以下、流量が0.04m3/sec程度であり、比較的他の河川よりも緩やかで流量も少ない。河岸の森林はケヤキが最も多く、次いでサクラ、ブナ、コナラ、スギが繁茂していた。
    調査項目:1)河川を10mごとにポイントを分け、流速と水深を調査毎に測定した。2)河川のリーフリターの供給状況調査は、河岸の上流から下流にかけて約10mごとに任意で計38ヶ所のかごの設置をしてリーフリターの落下量を測定した。3)河川内にネットを設置し、1時間毎に2回リーフリターの流下量をサンプリングしてそれぞれの乾燥重量を測定した。4)河床内のリーフリターの堆積量を算出するために、主に堆積しているポイントを数箇所選定し、写真撮影とサンプリングを行った。5)河床の砂礫については有機物の滞留ポイント別にサンプリングを行い、その後粒径分布を調べ各粒径の強熱減量の測定を行い有機物の割合を見積もった。6)また各々の粒径のC/N比をCHNコーダーで測定し、有機物の割合と比較することで有機物の分解に関する関係を求めた。7)滞留ポイントの間隙水を採取し、TOCを測定した。
    結果:落葉期におけるリターについて、その総供給量の78%が樹冠からの落葉であり、総供給量の66%が貯留されたことになった。堆積する位置の特徴として、浮石が多数ある瀬、淵、湾曲部の内側と外側、後流域がある。なお、浮石以外のポイントでは、リーフリターとともに細かい砂礫も集積していた。堆積地点にはFPOMも多く、粒径が小さくなるほどAFDMの割合が高くなった。DOMは瀬と淵で大きな違いが見られないが、湾曲部に堆積している間隙水のDOMは高かった。
    課題番号:15686021
  • モデル化を目的とした異なる環境に育った水生植物のデータ収集               
    日本学術振興会, 科学研究費助成事業, 基盤研究(B), 2003年 - 2004年
    浅枝 隆; ジャガス マナトンゲ; 田中 規夫; 藤野 毅, 埼玉大学
    配分額(総額):13600000, 配分額(直接経費):13600000
    平成16年度においては、モデル作成およびそれを用いて緯度の影響を求める作業と、これをより一般的にするために、より特徴的な植物の生長などの生態学的データ収集、沈水植物の生長データ収集を行った。
    ヨシおよびガマ類に関しては、前年度までに収集したデータを下にモデリングを行った。その後で、作成したモデルを用いて、ガマ類に関して、地上部および地下部の物質輸送およびそれぞれのバイオマスに関する緯度の影響、2次葉茎の出芽頻度に関する緯度の影響、ならびに、刈り取りおよびその後の生長に対する緯度の影響について、様々に条件を変えてシミュレーションを行い、緯度の影響を一般的に求めた。特に、地上部と地下部との関係では、物質移動がバランスした状態では、低緯度地域では、地上部が地下部よりも大きいものの、35-40度程度に緯度で、生産量に比較して呼吸損失が大きかった。
    データ収集に関しては、当初対象としてたヨシ、ガマの他に、オーストラリアにて、地下茎への依存度が極めて高い、抽水植物エレオカリスEleocharis sphacelata、ジャンカスJuncus ingens、バウミアBaumea arthrophoraの生長データの収集を行った。その中で、特に、エレオカリスにおいては、ほぼ同緯度で、冬に気温が低下し、乾燥する場所の個体群と、冬にも比較的温暖で、常に抽水状態にある個体群とについて観測を行って、気候による影響の把握を行った。また、これらのデータを下に、地上部と地下部との間の物質のやり取りを表現するモデルを作成、その特徴を、気候との関係であきらかにした。その結果、年間の光合成可能な期間が長い場合には、地上部のバイオマスを大きくすることが可能であっても、冬季に地上部が枯死する場合には、十分な地下茎が必要であることなど、地下部/地上部比(R/S比)に関する関係等が明確になった。沈水植物については、シャジクモ、フサモ、イバラモについて、オーストラリアの湖で定期的な観測を行って、バイオマスの変化また種ごとの競争に関する生態学的知見を得た。
    課題番号:15404015
  • 都市域における熱とCO2環境緩和をめざした保水性建材による緑化の試み               
    日本学術振興会, 科学研究費助成事業, 若手研究(B), 2001年 - 2002年
    藤野 毅, 埼玉大学
    配分額(総額):2200000, 配分額(直接経費):2200000
    保水性建材の実用化自的の1つに保水性道路がある。今年度は、緑化実験と並行して、東京都土木研究所が実際に試験施工を行った都内5箇所の道路について、保水性道路と通常道路の表面温度と地上気温の観測結果を解析し、保水性建材の実際の利用が都市域の熱環緩和に寄与しているのかを検証した。
    解析の対象とした都道は南北方向に沿っており、車道全面を保水性舗装とし、それが200mにわたって施工されている。東西には高いビルが建っているため日中日陰が形成される。しかし、都心の道路の多くはこのような状況にあり、対象区間は典型的なモデル地区と言える。時期は2002年8月5日〜8日を選んだ。4日の午後10時から12時にかけて32mmもの集中的な降雨があり、その後、晴れまたは快晴の天気が続いた。保水性舗装は通常舗装に比べて、表面温度は最大5〜7℃、路面上の気温は最大1℃低い値を示した。日向の実験とは異なり、日陰であるため温度差が生じたのは日中の数時間であるが、水分の保持効果は4日間程度持続した。次に、保水性道路と通常道路上高さ1.5mと3.0mに設置した多数の気温と湿度の観測データを解析し、温位と混合比の勾配を見積もると、両者の傾向は全く逆であり、それぞれの道路上の微気侯は全く独立して形成されていることがわかった。バルク法と傾度法から顕熱輸送量と潜熱輸送量を見積もった結果、両者はおよそ同じ規模であり、もともと日陰であるため通常舗装においても顕熱輸送量は少ないが、保水性舗装は表面温度と気温の差が数℃に留まりさらに少ない値であった。よって、百葉箱高さにおいては地表面状態の影響を強く受けることから、特に高いビルに囲われたところでの気温緩和効果は0.5から1℃生ずる。ただし、有意な差はこのレベルまでである。
    一方、こうした材料の緑化の可能性について、別途、日本芝と西洋芝の種を植えて生育状況を調べた。もともと多量の水分補給が必要であるため、生育は可能であるが、実用化にはコストが高くつくという問題が生ずる。また、在来種である日本芝の利用が生態的観点からより好ましいが、冬季に枯れるという欠点がある。よって、実験では生育可能であることを実証したが、実用化は難しい。このことは他の植物を考えても同様な結論になる。
    課題番号:13750483
  • 都市廃棄物の広域管理に関する研究               
    日本学術振興会, 科学研究費助成事業, 基盤研究(C), 1998年 - 2000年
    北脇 秀敏; 藤野 毅; 押谷 一; 藤田 賢二; 御船 直人, 東洋大学
    配分額(総額):3100000, 配分額(直接経費):3100000
    1.廃棄物の鉄道輸送状況調査
    国内・国外の廃棄物の鉄道輸送状況調査を行い、鉄道輸送における技術的・制度的問題点を検討した。
    2.廃棄物の広域輸送の経済学的視点からの検討
    これまでの廃棄物処理の基本的な考え方は排出者費用負担の原則を踏まえて、排出域内処理を基本とされてきた。本研究では経済学的な視点から広域処理の問題点を示すとともに、地域計画論の視点から広域輸送方法の選択および処理施設の立地についても基本的な考え方を整理した。
    3.大規模処分場が環境に与える影響の検討
    廃棄物によって大規模埋め立てが生じた場合、従来の舗装では微気候が変化し、温暖化がもたらされるが、保水性ブロックや舗装を適用すると自然の土壌と同様な熱環境を維持することや、現在の都市表面が修復された場合のエネルギー効果についても明らかにした。この他、様々な利用法の1つとして家屋の屋根材としての適用場合の効果についても示した。
    4.わが国の廃棄物鉄道広域輸送のあるべき姿の検討
    鉄道による廃棄物の広域輸送が健康と環境の保全に果たす役割を整理し、鉄道広域輸送のあるべき姿を検討した。
    課題番号:10650544
  • 湖沼水質改善過程で動物プランクトン食性魚の捕食率低下に果たす水生植物の役割の評価               
    日本学術振興会, 科学研究費助成事業, 基盤研究(B), 1998年 - 1999年
    浅枝 隆; 藤野 毅; ヴ タンカ, 埼玉大学
    配分額(総額):13300000, 配分額(直接経費):13300000
    本研究では、動物プランクトン食魚としてわが国に多いモツゴPseudorabora parvaを、動物プランクトンとしてミジンコDaphnia pulexを用いて、実験により動物プランクトン食魚の動物プランクトンの捕食特性を調べている。具体的には、餌の密度および魚の空腹度がP.parvaのD.pulexの捕食特性に与える影響を解明した点、障害物の存在が捕食特性に与える影響の解明した点の二つの点について特に取り上げている。これらについて、主に、以下のような点を明らかにしている。
    まず、最初の点については、絶食させたP.parvaを入れた水槽に、餌である所定の密度のD.pulexを導入、補充し、ビデオ等を用いて、捕食速度、平均遊泳速度等を求めている。遊泳速度、捕食速度は餌の密度と共に減少、また空腹が満たされるにつれて減少している。また、様々な条件での結果も餌間を魚が移動する速度にほぼ反比例することが示されて、捕食速度を、餌密度、空腹度の関数として与えている。
    次に、水生植物のような障害物が散在する場でP.parvaのD.pulexの捕食に及ぼす影響を調べている。障害物としては木綿糸を用い、様々な障害物密度、餌密度について調べている。捕食速度、遊泳速度は障害物の密度、餌密度、空腹度に対しMonod関数もしくは指数関数的に減少することが示されている。特に、捕食速度は障害物の間隔が体長と同程度になると急激に減少することが示されており、この間隔が尾ヒレの1回のビートで泳ぐ距離に相当し、この間隔より小さくなると障害物に衝突しやすくなるため捕食速度が減少するとしている。これより、植生や人工物によって動物プランクトンの捕食を減少させるには対象とする魚の体長程度の密度が必要であることを結論している。
    以上、得られた結果は、動物プランクトン食魚と動物プランクトンの関係の解明に貢献するだけでなく、動物プランクトンの生存量を増やすために用いられる施設の設計に対して極めて重要な情報を与えている。
    課題番号:10450179
  • 琵琶湖流域の水・熱循環過程解明に向けた総合研究と衛星同期共同観測-琵琶湖プロジェクト               
    日本学術振興会, 科学研究費助成事業, 基盤研究(A), 1995年 - 1997年
    中北 英一; 田中 賢治; 戎 信宏; 藤野 毅; 開發 一郎; 砂田 憲吾; 陸 旻皎; 立川 康人; 深見 和彦; 大手 信人, 京都大学
    配分額(総額):12900000, 配分額(直接経費):12900000
    本研究プロジェクトは「琵琶湖流域の水・熱循環過程解明に向けた総合研究と衛星同期共同観測」を骨子としたオープンなプロジェクトであり,1989年の山梨大学工学部砂田憲吾による提唱をベースに,様々な方々,関係機関のサポートを頂戴しながら,手弁当による参加をベースに継続して続けられてきたものである.フリーな議論をベースにそのあり方を問い続けてきたプロジェクトでもある.その土台をベースに砂田憲吾をプロジェクトリーダーとして進んできた第1ステージが1994年に終了し,1995年からは,1)衛星リモートセンシングデータの地上検証 2)衛星データを用いた水文量抽出アルゴリズム/モデルの開発 3)地表面-大気系の水文循環過程の相互作用の解明 4)水文循環過程の時空間スケール効果の解明 を目的として,本科学研究費補助金をベースとした第2ステージを進めてきた.
    そこでは,これまでの地上,衛星,航空機による観測に加え,対象領域全体を表現するモデルとのタイアップを新たに目指してきた.その中で,どのスケールをベースに水文過程のアップスケーリングを図って行くべきなのかの議論を深めながら,20km×20kmまでのアップスケーリングをめざし第3ステージに橋渡しをするのが,わが国に根付いてきた琵琶湖プロジェクトのこの第2ステージの果たすべき役割である.'95共同観測では,様々なサポートにより上記第2ステージの目的を追求するのに何よりの航空機,飛行船を導入した大規模な観測態勢を敷くことができた.また,96年度から初の夏期観測をスタートすると共に,モデルとタイアップさせたより深い共同観測のあり方についての議論を行ってきた.
    成果としては,上記目的それぞれに関する各グループの成果報告,観測・モデルを組み合わせたスケール効果の解明と今後のあるべき共同観測態勢,研究グループ外部をも対象としたデータベースや観測・解析プロダクツを報告書として啓上している.
    課題番号:07305020
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