中田 憲男(ナカタ ノリオ)
理工学研究科 物質科学部門教授
理学部 基礎化学科

研究者情報

■ 学位
  • 博士(理学), 京都大学
    2003年03月
■ 研究キーワード
  • 白金
  • パラジウム
  • ポストメタロセン
  • オレフィン重合
  • ゲルミレン錯体
  • ハフニウム
  • [OSSO]配位子
  • 高分子
  • 酸素-水素結合活性化
  • ゲルマニウム
  • 炭素-硫黄結合活性化
  • 二重結合
  • ジリチオゲルマン
  • シリレン錯体
  • ケイ素
  • オキサメタラサイクル
  • 前周期遷移金属錯体
  • ジリチオシラン
  • 環化
  • ヒドリド
  • アルキン
  • セレン
  • 合成化学
  • カルコゲン元素
■ 研究分野
  • ナノテク・材料, 高分子化学
  • ナノテク・材料, 無機・錯体化学
  • ナノテク・材料, 有機合成化学, 典型元素化学
  • ナノテク・材料, 構造有機化学、物理有機化学
■ 経歴
  • 2024年04月 - 現在, 立教大学, 理学部 化学科, 連携教授
  • 2024年04月 - 現在, 埼玉大学, 大学院理工学研究科, 教授
  • 2022年04月 - 2024年03月, 埼玉大学, 大学院理工学研究科, 准教授
  • 2017年06月 - 2024年03月, 立教大学, 理学部 化学科, 連携准教授, 日本国
  • 2007年04月 - 2022年03月, 埼玉大学, 大学院理工学研究科, 助教, 日本国
  • 2014年06月 - 2017年03月, 特定国立研究開発法人理化学研究所, 創発物性科学研究センター, 客員研究員, 日本国
  • 2011年09月 - 2013年02月, ポールサバチエ大学, CNRS博士研究員, フランス共和国
  • 2006年04月 - 2007年03月, 埼玉大学, 大学院理工学研究科, 助手, 日本国
  • 2004年04月 - 2006年03月, 筑波大学, 大学院数理物質科学研究科, 準研究員, 日本国
  • 2004年01月 - 2004年03月, 筑波大学, 化学系, 文部科学技官, 日本国
  • 2003年04月 - 2003年12月, 筑波大学, 化学系, 21世紀COE研究員, 日本国
■ 学歴
  • 2000年04月 - 2003年03月, 京都大学, 大学院理学研究科博士後期課程, 日本国
  • 1998年04月 - 2000年03月, 岐阜大学, 大学院工学研究科博士前期課程, 日本国
■ 受賞
  • 2021年06月, 第61回学術奨励賞, 公益財団法人宇部興産学術振興財団
  • 2018年09月, International Association of Advanced Materials, Scientist Medal
  • 2016年12月, 日本化学会欧文誌BCSJ賞, 日本化学会
  • 2014年02月, 2013年度研究企画賞(三洋化成工業研究企画賞), 有機合成化学協会
  • 2010年08月, 第10回セレンテルル化学に関する国際会議・Poster Award
  • 2010年07月, 第24回有機金属化学に関する国際会議・Best Poster Award
  • 2010年02月, 2009年度研究企画賞(塩野義製薬研究企画賞), 有機合成化学協会
  • 2007年02月, 2007年度研究企画賞(ADEKA研究企画賞), 有機合成化学協会
  • 2005年02月, 第19回若い世代の特別講演会証, 日本化学会
  • 2001年11月, 第6回ケイ素化学協会シンポジウムポスター賞

業績情報

■ 論文
■ MISC
  • Synthesis and photophysical property of 1-chalcogeno-1,3-butadiene derivatives and the related compounds incorporated in a dibenzobarrelene skeleton               
    Akihiko Ishii; Norio Nakata
    巻:76, 号:10, 開始ページ:1042, 終了ページ:1054, 2018年
    書評論文,書評,文献紹介等
    DOI:https://doi.org/10.5059/yukigoseikyokaishi.76.1042
    Scopus:https://www.scopus.com/inward/record.uri?partnerID=HzOxMe3b&scp=85055051317&origin=inward
    Scopus Citedby:https://www.scopus.com/inward/citedby.uri?partnerID=HzOxMe3b&scp=85055051317&origin=inward
    DOI ID:10.5059/yukigoseikyokaishi.76.1042, ISSN:0037-9980, SCOPUS ID:85055051317
  • Macromol. Rapid Commun. 12/2016               
    Yusuke Saito; Norio Nakata; Akihiko Ishii
    巻:37, 号:12, 開始ページ:1008, 2016年06月01日
    速報,短報,研究ノート等(学術雑誌)
    DOI:https://doi.org/10.1002/marc.201670051
    Scopus:https://www.scopus.com/inward/record.uri?partnerID=HzOxMe3b&scp=84975109792&origin=inward
    Scopus Citedby:https://www.scopus.com/inward/citedby.uri?partnerID=HzOxMe3b&scp=84975109792&origin=inward
    DOI ID:10.1002/marc.201670051, ISSN:1022-1336, eISSN:1521-3927, SCOPUS ID:84975109792
  • シクロアルカン縮環[OSSO]四座配位子をもつ遷移金属触媒によるα-オレフィンのイソ特異的重合 (特集 ユニークな構造の高分子を生み出す触媒技術)               
    石井 昭彦; 中田 憲男
    触媒, 巻:58, 号:1, 開始ページ:2, 終了ページ:7, 2016年01月
    触媒学会, 日本語
    ISSN:0559-8958, CiNii Articles ID:40020732352, CiNii Books ID:AN00117719
  • Recent advances in the chemistry of Group 4 metal complexes incorporating [OSSO]-type bis(phenolato) ligands as post-metallocene catalysts               
    Norio Nakata; Tomoyuki Toda; Akihiko Ishii
    巻:2, 号:8, 開始ページ:1597, 終了ページ:1610, 2011年08月
    書評論文,書評,文献紹介等
    DOI:https://doi.org/10.1039/c1py00058f
    Scopus:https://www.scopus.com/inward/record.uri?partnerID=HzOxMe3b&scp=79960303151&origin=inward
    Scopus Citedby:https://www.scopus.com/inward/citedby.uri?partnerID=HzOxMe3b&scp=79960303151&origin=inward
    DOI ID:10.1039/c1py00058f, ISSN:1759-9954, eISSN:1759-9962, SCOPUS ID:79960303151
  • 遷移金属錯体触媒を用いる効率的・選択的合成反応の研究               
    石井 昭彦; 中田 憲男; 芦田 彪; 加藤 淳一; 新井 輝明; 森 さやか
    埼玉大学地域オープンイノベーションセンター紀要, 号:2, 開始ページ:23, 終了ページ:25, 2009年
    The thermal reaction of a (dibenzobarreleneselenolato)(hydrido)platinum(II) complex gave twofour-membered selenaplatinacycles, one of which is formed by hydroplatination of the Pt-H bond to the etheno bridge and the other is a vinylic C-H bond activation. The reaction mechanism for the cyclometalation is investigated.
    埼玉大学総合研究機構地域オープンイノベーションセンター, 日本語
    ISSN:1883-8278, CiNii Articles ID:120002354108, CiNii Books ID:AA12486867
  • 遷移金属錯体触媒を用いる効率的・選択的合成反応の研究
    石井 昭彦; 中田 憲男; 芦田 彪; 加藤 淳一; 新井 輝明; 森 さやか
    埼玉大学地域オープンイノベーションセンター紀要, 号:1, 開始ページ:30, 終了ページ:32, 2008年
    The oxidative addition of [Pt(2-nb)(PPh3)2] with a sterically hindered thiol TripSH (Trip = 9-triptycyl) in toluene afforded cis-hydrido(thiolato) Pt(II) complex PtH(Strip)(PPh3)2 as thermally and moisture stable colorless crystals in 91% yield. The thermal reaction of PtH(Strip)(PPh3)2 gave the corresponding thiaplatinacycle. The first stable dihydrogermyl(hydrido) platinum(II) complex PtH(GeH2Trip)(Ph3P)2 was synthesized by the oxidative addition reaction of TripGeH3 with Pt( 2-C2H4)(Ph3P)2 in toluene. The reaction of TripGeH3 with (dppe)PtCl2 in the presence of NaBH4 afforded the corresponding hydrido complex PtH(GeH2Trip)(dppe) together with bis(germyl) platinum(II) complex Pt(GeH2Trip)2(dppe). The ligand exchange reaction of PtH(GeH2Trip)(Ph3P)2 with Cy2PCH2CH2PCy2 (DCPE) in toluene resulted in the formation of PtH(GeH2Trip)(dcpe) in the moderate yield. Thermal rearrangement of Pt(GeH2Trip)2(dppe) in toluene at 60 ˚C gave digermyl(hydrido) complex PtH[Ge(Htrip)GeH2Trip](dppe) in high yield.
    埼玉大学総合研究機構地域オープンイノベーションセンター, 日本語
    ISSN:1883-8278, CiNii Articles ID:120001493933
■ 所属学協会
  • 2017年05月 - 現在, 石油学会
  • 2013年10月 - 現在, 高分子学会
  • 2012年02月 - 現在, アメリカ化学会
  • 2008年06月 - 現在, 錯体化学会
  • 2004年12月 - 現在, 有機合成化学協会
  • 2000年09月 - 現在, ケイ素化学協会
  • 1997年10月 - 現在, 日本化学会
■ 共同研究・競争的資金等の研究課題
  • カルベンを凌ぐ強力なσ供与性N-ヘテロ環状シリレンの配位化学               
    日本学術振興会, 科学研究費助成事業 基盤研究(C), 基盤研究(C), 2022年04月01日 - 2025年03月31日
    中田 憲男, 埼玉大学
    配分額(総額):4290000, 配分額(直接経費):3300000, 配分額(間接経費):990000
    課題番号:22K05138
  • ポストメタロセン触媒によるパラフィン系燃料前駆体の精密合成法の開発               
    日本学術振興会, 科学研究費助成事業 基盤研究(C), 基盤研究(C), 2017年04月01日 - 2020年03月31日
    中田 憲男, 埼玉大学
    配分額(総額):4810000, 配分額(直接経費):3700000, 配分額(間接経費):1110000
    本研究課題では、研究代表者らが見出した1-ヘキセンの精密オリゴマー化反応の知見を活用し、代替ジェット燃料の前駆体となりうるビニリデンダイマーの精密合成プロセスの開発を目指した。
    様々なアリール基を導入した[OSSO]型ジルコニウム錯体は、100-300当量の乾燥修飾メチルアルミノキサンを助触媒とすることで、1-ヘキセンのオリゴマー化反応を完璧なビニリデン選択性で進行した。これらの反応の触媒回転頻度は、従来のメタロセン系触媒よりも高いことが明らかとなった。
    課題番号:17K05771
  • ヒドリドシリレンを感応性化学種とする触媒機能の設計・開発               
    日本学術振興会, 科学研究費助成事業 新学術領域研究(研究領域提案型), 新学術領域研究(研究領域提案型), 2015年04月01日 - 2017年03月31日
    中田 憲男, 埼玉大学
    配分額(総額):5200000, 配分額(直接経費):4000000, 配分額(間接経費):1200000
    本研究の最終的な目標は、ヒドリドシリレンをはじめとする高周期14族元素 メタリレンを設計・合成し、これらを用いた遷移金属フリーな触媒システムの構築を探査することにある。平成28年度では、リン上にフェニル基を、窒素上にtBu基を導入した[NPN]型イミノホスホナミド配位子を有するクロロシリレンの合成に成功し、その分子構造を各種スペクトル解析ならびに単結晶X線構造解析により決定した。
    合成したクロロシリレンの電子状態を詳細に検証するため、理論計算による考察を行った。その結果、分子軌道計算からは類似のアミジナート配位子を有するクロロシリレンよりも高いHOMOのエネルギーが示され、高い反応性の発現が期待された。そこで、クロロシリレンの反応性について検討した。クロロシリレンと単体セレンとの反応では、THF中、室温で効果的に進行し、対応するシランセロン類縁体を与えた。また、ヘキサフルオロベンゼンとの反応ではC-F結合の切断反応が室温下にて瞬時に起こり、対応する5配位クロロフルオロシランが定量的に生成した。一方、カリウムヘキサメチルジシラジドとの反応から対応するアミノ置換シリレンの合成をトルエン中、室温で検討したところ、予想外にもケイ素-窒素二重結合化学種であるシライミンが得られた。この反応では、中間体として生成したアミノ置換シリレンから窒素上のトリメチルシリル基がシリレンケイ素上に分子内転位し、シライミンが生成したと考えられ、すでに報告されているアミジナート類縁体とは異なった反応性を見出した。
    課題番号:15H00919
  • 高付加価値オレフィンの精密重合を可能とする[OSSO]型触媒の開発・設計               
    日本学術振興会, 科学研究費助成事業 基盤研究(C), 基盤研究(C), 2013年04月01日 - 2016年03月31日
    中田 憲男, 埼玉大学
    配分額(総額):5330000, 配分額(直接経費):4100000, 配分額(間接経費):1230000
    汎用性α-オレフィンであるプロピレンやスチレンの精密重合を実現するため、新規なtrans-シクロオクタン縮環型[OSSO]配位子とそれらを有するジルコニウム錯体を開発した。結果として、乾燥メチルアルミノキサンで活性化されたジルコニウム錯体4を触媒としたスチレンの重合反応では、高いイソ選択性([mm] = 97.5-99%)で高分子量(181,000 g mmol-1)のポリスチレンの生成を見出した。また、Dmp基を有する触媒前駆体5とdMAOの触媒系では、最も高い触媒活性(7,700 g mmol(5)-1 h-1)を記録し、99%を超えるイソ特異性で高分子量のポリスチレンを与えた。
    課題番号:25410035
  • 生体内の硫化水素を可視化するON-OFF型蛍光プローブの開発               
    産学が連携した研究開発成果の展開 研究成果展開事業 研究成果最適展開支援プログラム(A-STEP) 探索タイプ, 2014年 - 2015年
    中田 憲男, 埼玉大学
    近年、細胞内の生理的シグナル伝達物質として硫化水素が注目されており、様々な蛍光プローブを用いて生体内の硫化水素の働きをリアルタイムに可視化する試みがなされている。本研究では、ジベンゾバレレン骨格に組み込まれたセレノキシド誘導体を活用するリサイクル可能なON-OFF型硫化水素蛍光プローブの設計・開発を検討した。結果として、種々の酸化剤によるセレニドの酸化反応から高い選択性を示し、硫化水素の検出によって生成したセレニドは容易に再利用できることを見出した。一方、赤色発光が期待されるpush-pull型化合物の合成を行い、シアノ基およびジメチルアミノ基を有するセレニド誘導体はCH3CN/リン酸緩衝液中において橙色発光を示し、細胞透過性の高いセンサーとしての可能性を明らかにした。今後は、得られたデータを駆使し、硫化水素プローブ化合物としての性能評価を実際の細胞を使用して検証を行う予定である。
  • 炭素-硫黄結合ならびに酸素-水素結合の同時活性化を鍵とする新規分子変換反応の開発               
    日本学術振興会, 科学研究費助成事業 新学術領域研究(研究領域提案型), 新学術領域研究(研究領域提案型), 2011年04月01日 - 2013年03月31日
    中田 憲男, 埼玉大学
    配分額(総額):7020000, 配分額(直接経費):5400000, 配分額(間接経費):1620000
    すでに申請者らは、白金0価錯体による2-ヒドロキシベンジルスルフィド誘導体1の炭素-硫黄結合と酸素-水素結合の同時活性化反応からオキサプラチナサイクル2の生成を見出している。一方、白金錯体の代わりにパラジウム錯体を用いて同様の反応を検討したところ、対応するオキサパラダサイクルは確認されず、新規な五配位リン化合物であるオキシホスホラン3の生成が確認された。今年度は、これらの結合活性化を鍵反応とした新規分子変換反応の開発を目的に、パラジウム触媒存在下での1とジメチルアセチレンジカルボキシラート(DMAD)との反応を検討した。
    まず、10 mol%の[Pd(PPh3)4]存在下、スルフィド誘導体1 と2当量のDMADをトルエン還流条件で15 時間作用させたところ、1 のベンジル炭素-硫黄結合のみが解裂し、アルキンの挿入反応により生成したアルケニルスルフィド4 とビニルスルフィド5 がそれぞれ得られた。この結果は、平成23年度に明らかにした触媒量の[Pd(PtBu3)2]を使用した同様の反応とは対照的であり、パラジウム上のリン配位子の違いにより生成物が異なる結果となった。すなわち、[Pd(PtBu3)2]存在下での反応は4H-1-ベンゾピラン6 とビニルスルフィド5 がそれぞれ生成する。
    さらに、1の結合活性化反応における中心金属の汎用性を明らかにするため、白金やパラジウムと同族金属であるニッケルを用いて反応の系統性を確認した。すなわち、1と2当量のキレート型リン配位子dmpeならびに[Ni(COD)2]をトルエン中で作用させたところ、対応するオキサニッケラサイクル7が生成し、同様の結合活性化反応が確認された。ニッケラサイクル7の分子構造は、各種スペクトルならびにX線結晶構造解析により決定した。
    課題番号:23105508
  • 高活性、高立体選択性、リビング重合を実現する究極のポストメタロセン触媒の開発               
    日本学術振興会, 科学研究費助成事業 若手研究(B), 若手研究(B), 2011年 - 2012年
    中田 憲男, 埼玉大学
    配分額(総額):4680000, 配分額(直接経費):3600000, 配分額(間接経費):1080000
    α-オレフィンの高活性、高選択性ならびにリビング重合性を実現するため、一連の新規[OSSO]配位子とそれらを有する前周期遷移金属錯体を開発した。結果として、dMAOで活性化された4族遷移金属およびタンタル錯体を前触媒とした1-ヘキセンの重合反応では、完璧なイソ選択性でポリマーを与えた。特に、[OSSO]配位子を有するジクロロジルコニウム錯体は、dMAO存在下で1-ヘキセンの重合反応を促進させ、極めて高い重合活性で完璧なイソタクチックポリマーの生成を見出した。
    課題番号:23750034
  • 単離可能なヒドリドーカルコゲノラト白金錯体とアルキン類との反応の機構解明               
    日本学術振興会, 科学研究費助成事業 基盤研究(C), 基盤研究(C), 2009年 - 2011年
    石井 昭彦; 中田 憲男, 埼玉大学
    配分額(総額):4940000, 配分額(直接経費):3800000, 配分額(間接経費):1140000
    ヒドリド-セレノラト白金(II)錯体とアルキン類とのヒドロセレン化反応を検討した。セレン上に9-トリプチシル基,リン配位子としてトリフェニルホスフィンあるいはジフェニルホスフィノエタンを持つ錯体を用いた反応により,初期段階でリン配位子の解離が必要であることを明らかにした。配位子として亜リン酸トリフェニルをもつ錯体はフェニルアセチレンと反応し,セレナプラチナサイクルとスチレンが生成することを見いだした。
    課題番号:21550035
  • 強発光性含カルコゲン複素環化合物の開発と発光材料への応用               
    産学が連携した研究開発成果の展開 研究成果展開事業 地域事業 地域イノベーション創出総合支援事業 シーズ発掘試験, 2009年 - 2009年
    中田 憲男, 埼玉大学, 研究代表者
    本研究では、独自に開発したカルコゲナプラチナサイクルあるいは含カルコゲン複素環化合物の薄膜状態における多彩な発光特性の発現を目指した適切な化学修飾反応(配位子交換反応、金属交換反応、置換基効果)から一連の新規誘導体を開発し、π共役系化合物に代わる新たな次世代発光素子に応用可能な薄膜材料としての実用化を検討する。
  • 4族遷移金属-シリレン錯体の創製とそれを触媒とする新規重合反応の開発               
    日本学術振興会, 科学研究費助成事業 若手研究(B), 若手研究(B), 2007年 - 2008年
    中田 憲男, 埼玉大学
    配分額(総額):3600000, 配分額(直接経費):3600000
    前年度においては、ケイ素ジアニオン種であるジリチオシラン(1)を鍵反応剤とし、ハフノセンジクロリドとのカップリング反応、次いで求核剤であるトリメチルホスフィンの添加から初めての安定なSchrock型シリレン錯体(2)の合成・単離に成功し、その分子構造ならびに理論計算からケイ素-ハフニウム二重結合の本質を明らかにした。この成功を基に、今年度ではケイ素と同族の高周期元素であるゲルマニウムの系においてジリチオゲルマン(3)を用いた同様のカップリング反応を検討したところ、対応するゲルミレン錯体(4)を熱的に安定な18電子錯体としての合成・単離に成功した。錯体4は空気や湿気に対し極めて不安定な赤色結晶であるが、Schrock型ゲルミレン錯体としては初めての単離例である。また錯体4の構造は各種NMRスペクトルならびにX線結晶構造解析により決定し、ゲルマニウムーハフニウム間距離は2.6705(5)Åを示し、これまでに報告されている値の中で最も短い値であるとともに、二重結合性を有することが明らかとなった。また錯体4のゲルマニウムーハフニウム間における不飽和結合の性質を解明するため、理論計算による電荷分布を見積もったところ、ゲルマニウム上に陰電荷が、ハフニウム上に陽電荷がそれぞれ極在化しており、Schrock型ゲルミレン錯体の性質を有することが明らかとなった。さらに紫外可視吸収スペクトルおよび分子軌道計算からもゲルマニウムーハフニウム二重結合を示すπ-π*遷移に帰属される吸収が確認された。
    課題番号:18750026
  • セレナメタラサイクルの創製と新合成反応への展開               
    日本学術振興会, 科学研究費助成事業 特定領域研究, 特定領域研究, 2007年 - 2007年
    石井 昭彦; 中田 憲男, 埼玉大学
    配分額(総額):2500000, 配分額(直接経費):2500000
    (1)ジセレニド(TripSeSeTrip)およびセレノール(TripSeOH)とPt(PPh_3)_2(C_2H_4)の反応
    TripSeSeTripとPt(PPh_3)_2(C_2H_4)の反応を行ったところ,対応するセレナプラチナサイクルとともに,ヒドリド錯体が生成した。この反応について詳細に検討したところ,中間に生成したセレノールがPt(PPh_3)_2(C_2H_4)と反応しヒドリド錯体を与えることがわかった。興味深いことに,ヒドリド錯体をHBF_4で処理するか,トルエン還流下で加熱することでセレナメタラサイクルが生成することを見出した。
    (2)セレン原子上の置換基の効果
    9-アントラセニルジセレニドとPt(PPh_3)_2(C_2H_4)の反応を検討したが,セレナプラチナサイクルは得られなかった。次に9-トリプチシル基と同様の二環式骨格をもつヘキサヒドロフラノアントラセニル基について検討した。そのジセレニドと白金(0)錯体との反応により,低収率ながら目的のセレナプラチナサイクルが2つの立体異性体混合物として得られた。対応するセレノールと白金(0)錯体の反応ではヒドリド錯体が高収率で得られ,これをトルエン還流下で加熱すると,低収率ながらセレナプラチナサイクルが生成した。
    (3)金属およびリン配位子の効果
    金属として白金に代えてパラジウム,金属配位子としてPPh_3の他にdppeおよびdppfを検討し,対応するヒドリド錯体およびセレナプラチナサイクルを得ることができた。
    (4)セレナプラチナサイクルとアルキン類の反応
    ヒドリド錯体とDMADおよびプロピオール酸メチルとの反応ではそれぞれ対応するシン付加体が得られた。また,セレナプラチナサイクルとDMADとの反応では対応する付加体を得ることに成功した。
    課題番号:19027014
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